頚椎椎間板ヘルニアの実体と、手術の必要の無い初期ヘルニア

医療機関で受診して頚椎椎間板ヘルニアと診断された場合、どの様な処置が取られるかというと、まず
消炎鎮痛剤・筋弛緩剤等の注射を含めた投薬、次に
消炎鎮痛剤の含まれた塗布薬の塗布。
その次の段階で
消炎鎮痛剤の含まれた湿布等の貼付し、



安静指導。


それで
痛みが消失しない場合には、牽引療法・温熱療法・電気療法。
それでも痛みが消失しない場合には、外科手術

となります。


ちなみに、整形外科での椎間板ヘルニアの手術件数が、15年前の1/10になっているとか。つまり15年前には、9/10の不必要な手術が行われていた事になります。なぜこの様な事なったのかというと、ヘルニアの程度を無視していたた為のようです。ヘルニアの程度には膨隆ヘルニアと嵌頓ヘルニアがあり、前者は手術せずに済む初期の椎間板ヘルニアであり、後者は手術が必要な椎間板ヘルニアです。


そして、多くの椎間板ヘルニアは、初期には膨隆ヘルニアの状態であり、放置する事によって次第に嵌頓ヘルニアの状態に移行して行くものと考えられ、頚椎椎間板ヘルニアも初期の早期加療によって手術せずに済む場合が殆どであったのではないかと思われます。


でもこれは、患者の立場ではとんでもない話のように思います。手術の必要が無い初期の頚椎椎間板ヘルニアも、ほとんど手術してたってことですよね?医療技術の進歩という見方というか、言い訳もあるかと思いますが、そのときの常識になっている事例に疑問を持たなかったから、手術の必要が無い初期の頚椎椎間板ヘルニアまでも手術してしまったんでじょうけど。


頚椎椎間板ヘルニアで手術が必要になる交通事故について

交通事故相談サイト、交通事故110番というホームページの、頚・腰部捻挫の徹底研究と言うところで、興味深い内容のページがあったので御紹介いたします。


損保協会が保険屋さんに関わり合いをもつ弁護士を伊豆の医研センターに集めて、東京海上メディカルサービス株式会社の取締役第2医療部長の佐藤雅史医師を講師に招き、頚部損傷の研修を実施し他のだそうです。ここでの研修の骨子では「交通事故では頚椎椎間板ヘルニアは発生しない!」となっています。ただ、この内容には大きな語弊があるように思われます。何故ならば「猿を使った実験では、如何なる衝撃を加えようとも頚椎椎間板ヘルニアは発症しない?」という、何ともいえない実験を根拠にしているからです。そして結論は、頚椎椎間板ヘルニアを訴える被害者の大多数は元々から頚椎椎間板ヘルニアの既往歴があり、交通事故受傷によるものではないとして損害賠償を否定する、もしくは大幅な減額を講じる必要があると結んでいるのです。


当然のことながら「猿が自動車を運転していて、私の車を追い抜いた」という経験はしておりませんので、猿を使った実験が直ちに人間にも当てはまるなんて暴論は許し難いと考えております。そして何よりも「加害者よりも、被害者が年を取っていたのが悪い!」と言わんばかりの論法には怒りさえ覚えるのです。実際に頚椎椎間板ヘルニアで手術が必要になる交通事故は発生していると考えます。


しかしながら交通事故による外傷性の頚椎椎間板ヘルニアは、以下の4つの要件を満たしていれば認められます。


・椎間板が脱出するほどの外力を受けていること。
・MRI上、ヘルニアを示す部位が1ないし2ヶ所であること。
・その他の部位に椎間板の変性、膨隆、突出が認められないこと。
・受傷後、比較的早期にヘルニアの部位に合致した神経学的な症候を示していること。


頚椎椎間板ヘルニアで手術が必要になる交通事故といえば当然のことながら大怪我だと思います。始めからそうだったと言われれば、少し殺意も芽生えるかもしれませんよね。


頚椎椎間板ヘルニアを手術によって治療する場合

頚椎椎間板ヘルニアの治療は、まず保存的療法を基本としています。手術をせずに頚椎椎間板ヘルニアの治療が出来ることがやはり理想ですから。ですが頚椎椎間板ヘルニアの保存的療法を行っても症状が進行し、日常生活に不便を覚えるレベルになってきた場合には手術による治療が必要となってきます。


頚椎椎間板ヘルニア手術による治療方を簡単に説明してみます。頚椎椎間板ヘルニアの手術法としては、頸部の前から到達する方法、頸椎前方到達法が原則となっているようで、この頚椎椎間板ヘルニア手術は全身麻酔下に行う治療です。手術は仰向けの姿勢で行います。頸部の右側から皮膚切開を行い、気管と食道を左側へ引き寄せながら頸椎の前面まで到達し、頸椎の一部を削りながら脊髄の方へと進むことになります。

これらの頚椎椎間板ヘルニア手術の操作は、手術用顕微鏡を用いてに慎重に行われます。脊髄に対する圧迫が完全に除去できたことを確認してから、右のこし骨から骨を採取して頸椎部分への移植を行ないます。頸部には創部ドレナージと呼ばれる細い排液用の管を留置して頚椎椎間板ヘルニア手術の治療を終えます。これにより今回の頚椎椎間板ヘルニア手術での治療では、右の頸部と右の腰の2箇所に手術創が出来ることとなります。ちなみにこの頚椎椎間板ヘルニア手術は、通常2〜3時間程度の手術となるそうです。


頚椎椎間板ヘルニア手術による治療は合併症などのリスクが伴う手術なので、頚椎椎間板ヘルニア手術の症例の多い病院を探すのが安心に繋がると思います。


頚椎椎間板ヘルニア手術の安全性と合併症などの症状

藤枝平成記念病院のホームページによりますと、頚椎椎間板ヘルニア手術では脊髄に対する圧迫を取り除き、頸椎を固定することで症状を抑えるのが目的です。頚椎椎間板ヘルニア手術の大部分は手術用顕微鏡を用いて、明るい術野のもとに、神経や血管などの色々なものを大きく拡大しつつ慎重に行うため、手術用顕微鏡を使用しない場合と比べ安全なものとはなっているようですが、それでも以下に述べるような合併症などの症状があり得ると言うことです。


・食道、頸動脈の損傷
・硬膜(頸椎の中で脊髄を包んでいる袋状の組織)の損傷、及びこの硬膜の中に含まれている脳脊髄液が創部から体外へ漏れること。及びこれに引き続き生じる髄膜炎
・頸椎を削除する際に使用する高速回転のドリルによる脊髄・神経の損傷(損傷の程度により四肢麻痺、上肢麻痺などが生じる)
・術後の血腫形成による脊髄圧迫(四肢麻痺の危険性)
・移植骨の脱落・骨折など
・創部感染
・採骨部の痛みやしびれの持続
・上肢の挙上障害
・その他のまれな合併症として深部静脈血栓症。肺炎などの感染症など


これらの合併症の症状があり得ると考えられます。藤枝平成記念病院のスタッフは、過去20年間に頸椎前方到達法の手術を約400例の頚椎椎間板ヘルニア患者さんに行ってきましたが、幸いにも移植骨の脱落を2例で認めた以外は上記に記載したような合併症などの症状はなかったとのこと。しかしながら頚椎椎間板ヘルニア手術はこれらの合併症などの症状が起こりうるものであることから、慎重なうえにも慎重を期して行う必要があるようです。